Ⅰ、はじめに
「なんでこんなに頑張ってるのに勝てないんだ?」
「なんで最高速が伸びないんだ?」
「なんで休みを返上して遠征しているのに結果が出ないんだ?」
て思う方多いと思います。
あえて言おう!
まず『なんで』という言葉を使っている時点で無駄な努力なのではないですかね?
なんでと感じている時点で頑張るものがわかってないですし、わかってないのに頑張らされている子どもは結果がついてこないで可愛そうです。罰か何かか?
でも、、、
それがわからないのが、ストライダーですね。
今まで大人がやってきたスポーツでは計れない部分が多々あります。
そこで、自分ちは何を頑張ってて、何に力を入れてなかったのかを理解するために情報を整理して、客観的に見てみたいと思います。
実は分析したら
「あぁ、よく見てみたら、うちはB決勝どまりで当たり前だった。酷な期待をしてしまっていたな」
と冷静になり、クールな頭と熱い魂でA決勝に行けるかもしれませんよ!
なんの大会かはさておきね!!
今回はリハビリにて使用している「ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)」を用いて考えてみます。
Ⅱ、ICFてなにさ?
1、ICF(国際生活機能分類)とはどんなの?
元々はご病気により今までの生活が送れなくなった際、どの項目から適応を目指すかなど、情報を整理するものです。リハビリでは問題点の抽出の際に用いることが多いです。
6つの項目がそれぞれ関連していて、1つが変わればすべてに影響があるという見方ができます。
2、項目
1)健康状態
基本的な情報
2)心身機能身体構造
心と体の弱いところ。
3)活動
できない動作
4)参加
家以外に行っている交流
5)環境因子
取り巻くもの
6)個人因子
置かれている立場、性格気質など
これ客観的に整理するときにはかなり役立ちます。
なので、これで自分ちのストライダー選手を分析してみましょう。
Ⅲ、ICFでストライダー選手を分析
A君の場合
うわぁ。
細かすぎて読めねぇ(笑)
本当は表で見てほしいんですが箇条書きにしますね。
作るの苦労したんですけどねぇ(;’∀’)
A君の場合
【健康状態】
①男
②5歳
③身長113cm 体重21kg
④健康的、摂食良好
⑤夜寝ない。朝起きない。
【心身機能・身体構造】
1、体幹筋力不十分(27,29,32)
2、足筋力不十分(27,29,32)
3、体幹回旋の柔軟性不十分(27,29,32)
4、足挙上の柔軟性不十分(27,29,32)
5、肩回りの柔軟性不十分(27,29,32)
6、親が離れると不安感増大(27,28,29,30,31~36)
7、怒られるとメンタル低下、モチベーション低下
8、自己肯定感不十分で自信を持てない。(27,28,29,30)
9、リズム感がない。(27,28.29,30)
10、運動耐久性低い。(21~27,32,34)
【活動】
11、スタートが遅い(1,2,3,4,5,6,7,8,9,21,22,23,24,25)
12、初速が遅い(1,2,3,4,5,6,7,8,9,19,21,23,24,25)
13、加速の伸びがない(1,2,3,4,5,10,19)
14、コーナーで引いてしまう(8,9,22,24,25,26)
15、コーナーの切り返しが遅い(8,9,19,22,24,25,26)
16、車体がブレる。(1,2,3,4,5,6,7,8,9,19,21)
17、ライン取りができない。(21,22,23,24,25,26)
18、結果にムラがある。(6,7,8,9,21,22,23,24,25,26)
19、フォーム保持ができない。(1,2,3,4,5,21)
20、息が切れてゴールまでに失速する。(1~22)
【参加】
21、家族の練習は時々。(32,35,36)
22、仲間内で練習は時々。(32,35,36)
23、チーム練習会にたまに参加。(32,35,36)
24、他チーム練習会には不参加。(31,32,35,36)
25、月1回は小・中規模レースに参戦。(32,35,36)
26、たまには大規模レースに参戦。(32,35,36)
27、ストライダー以外の運動をしていない。(35,36)
28、本を読んでもらっていない。
29、休日はストライダー以外で遊ばない。
30、親と2人きりでは過ごさない。
【個人因子】
31、人見知り、恥ずかしがり
32、疲れること嫌い
33、長男で褒められ辛い
34、争いごと嫌い。
【環境因子】
35、共働きで朝7:30から夜18:30まで週5保育園
36、親の休みが不定期で土日休みとは限らない。
37、兄弟が多く金銭に余裕はない。
うしろの()は何と関連しているかです。関連していないものはないのですが、特に何がというものです。
項目など上げるときりがないので、あくまで例として考えてください。
ではかみ砕いて説明しますよ。
冒頭で言ったよくあるボヤキから。
「なんでこんなに頑張ってるのに勝てないんだ?」
頑張っていると錯覚してしまう現象の代表的なのは、ひたすら練習会参加。
ではK君ではどうなるか分析しましょう。
参加から見ましょう。
それなりに個人練習や練習会への参加もしてますね。
大会にもぼちぼち出てますね。
頑張ってはいますが、すべて参加というわけではないんですね。
何ででしょうか。
環境因子を見てみましょう。
朝から晩まで平日は保育園でなかなか練習は難しいですね。
ストライダーのイベントは土日ですから土日が動けないと難しいです。しかも兄弟が多いのでは片親では限界がありますので、両親とも休みでないといけないですね。大会は参加費以外もお金が要りますし、なかなか皆勤賞とはいきませんねぇ。
これでは参加の項目も納得です。
活動を見てみましょう。
ストライダーでスタートが苦手なのは不利ですね。しかもその後の加速も伸びも苦手なのではなかなか表彰台は難しいです。
コーナーも得意ではないのですねぇ。疲れやすさもあるようです。
だったら練習をしたらいいじゃないか!
あ、そうか、参加や環境因子からそれは難しいんだった。
限られた時間でこれらを克服するにはどうしたらいいんだろう。
そもそもなんでどの動作ができないのか?
心身機能身体構造を見てみましょう。
まず体が硬いんですねぇ。柔軟性がないと力もでませんね。足や体幹の力も十分ではないようです。レース会場ではすぐ泣いてしまうし、自信もないんですね。リズム感もないとなるとスタートは苦手ですよね。苦手だらけだから怖いですよね。
個人因子を見てみましょう。
優しい子なんですね。優しいけど長男という立場上出来て当たり前で、褒められることが減ってしまい、自己肯定感が希薄で、親に向き合ってもらうことが少ないのかな?友達はいるけど、きっかけを自ら作れる方ではないから多くの同級生がいる場所では緊張もしますね。
Ⅳ、問題解決のために
先ほどの情報整理をみてどう感じましたか?
皆さんならどこから手を付けますか?
練習会を増やすために仕事の休みを土日に集中!!ですか?
怒りますよ?
それも大切ですが、優先度は中堅くらいだと思います。
個人的に必要だと思う事は
2人きりの時間を作り、たくさん遊び、関係性を気づき、安定した心を持ってもらうことからですね。
大会会場は敵だらけではありません、友達たくさんです。
競技というものは孤独なものです。
スポーツとは残酷な面があります。
支え合いは大切ですが、どこまでいってもサポーターはサポート止まり。
個人競技の性質上孤独は避けては通れません。
そのとき必要なのが心の安定。
心の安定は何から生まれるか、生活リズムと自己肯定感です。
自己肯定感は何から生まれるか、親の愛情です。
愛情はどうに伝えるか、触れる時間を設けることです。
その心があれば精神状態は安定し、身体機能と能力を発揮できるベースができ上がります。
では、次いで体と能力の話。
冒頭の
「なんで最高速が伸びないんだ?」
参加と環境因子からわかるように、あまり練習会や大会には参加できないのであれば、がむしゃらに数をこなす練習方法ではたどり着けませんね。
だとしたら練習の質を考えましょう。
活動に書いてある
11、スタートが遅い(1,2,3,4,5,6,7,8,9,21,22,23,24,25)
12、初速が遅い(1,2,3,4,5,6,7,8,9,19,21,23,24,25)
13、加速の伸びがない(1,2,3,4,5,10,19)
15、コーナーの切り返しが遅い(8,9,19,22,24,25,26)
16、車体がブレる。(1,2,3,4,5,6,7,8,9,19,21)
17、ライン取りができない。(21,22,23,24,25,26)
18、結果にムラがある。(6,7,8,9,21,22,23,24,25,26)
これらは共通の問題点から生じています。()のなかを見ればわかりますが、体の柔軟性と筋力不足がありますね。でもそこにも()があり共通点として、ストライダー以外の遊びがないことが挙げられます。バランス系の遊びをやりましょう。アスレチック、縄跳び、ホッピング、プールなど。
まぁでも、それは反省点として考えてもらって、ストライダーに限って言えば力を出すベースが出来ていないということと、それによりマシンコントロールも出来ていないとうことです。
練習方法として最近私が推してる「フォーム」練習。
これは効果出ますよ。
最高速を出すには、一歩一歩をベストな蹴りとすることが必要です。
第一コーナーまで50歩あるのであれば、ベストな一歩を50回できた人が一位通過します。
では、ベストな一歩を出すにはどうしたらいいでしょうか。
蹴った瞬間のポーズが止まれますか?
止まれないのであれば、力が弱いか、力が発揮しづらいセッティングか、指導したフォームが合っていないかです。
蹴った脚は後方で伸ばして浮かせ、接地しているのは付いた足のみ。
自分ちの子はつま先で踏ん張ると安定するのか、踵で踏ん張ると安定するのか。そのときのハンドルは手前がいいのか、少し前が良いのか。サドルはもう少し低くがいいのか、高くがいいのか。
わかんないですよね。でもそれが発見できないとベストな蹴り一歩すらできないですよ。そうなるとスタートも、初速、加速、伸びコーナーすべてができないです。
卓球でラケットの持ち方を知らない人がむきになってドライブスマッシュやカットを練習しても習得できません。できてもなんちゃってです。
だからビリーさんの4スタンスを見てください。
こんな攻略本ないですよ。
子どもが頑張ってるんだから親も頑張って理解する!!!
スト4フォーム論「AタイプとBタイプについて」その4(新スト4理論8)
⇒https://ameblo.jp/billy-kodawari/entry-12338858668.html
そして、スタート練習。
これはリズム感です。まずは出るタイミングで手を打ってみましょう。
それが100%になったらそのタイミングで出る練習をしましょう。
両足?片脚?右前?右後ろ?腰から?頭から?
ビリーさん登場
⇒https://ameblo.jp/billy-kodawari/entry-11886124286.html
どの踏ん張り方が合いそうですか?
子どもはいろいろやるとパニックになりますから頭でスクリーニングしてから子どもには試してくださいね。
Ⅴ、まとめ
子どもとストライダーの関係も、「どうして目標のようにならないのか」を子どもを取り巻く情報を客観的にまとめて考えてみると気づくことがあるかもしれません。自分が提供してきたストライダー関連のものたちは偏っていたのか。情報を整理してみたら至らない部分があり、それが実は致命傷で、ストライダーのみならず、今後の人生において引きずってしまうレベルになっている可能性もありますよね。やらせといて「なんで~なんだろう」は残酷です。
ハイパー長文、ご清聴ありがとうございました。
超疲れた(;´Д`)
子どもと私の ストライダー 日記をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。